そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「加奈〜いもうと〜」

主人公「藤堂隆道」には二つ年下の妹「加奈」がいる
病弱で幼少の頃から入退院を繰り返していた妹に友達と呼べる存在はなく、たったひとりの兄である主人公は唯一無二の特別な存在
そして、主人公にとっても「加奈」という存在は特別だった
誰よりも大切にしたい
誰よりも幸せにしてやりたい…
主人公が加奈を思うとき、それは「妹」という言葉だけでは片づかない、不思議な感情を伴っているのだった
というわけで、田中ロミオもとい、山田一氏の傑作の一つである「加奈〜いもうと」
本作は、俺がエロゲを始めたばかりの頃にプレイした作品です
まぁ、単刀直入に言いますと、泣きました
こういう作品に耐性がなかった頃にプレイしたのですが、多分今やっても泣けます
本作のテーマは絆
とにかく丁寧なタッチで、幼少時から順を追って描かれる主人公と加奈の絆の深さには本当に感動させられます
プレイした人には分かるでしょうが、日記帳ENDなんかは特に至高
終盤の病室での夢のやりとりで泣いて最後の日記帳でもう一度号泣しました
それと、設定から分かるように正直ベタな話です
こんなベタな話を小細工無しで非常に丁寧に作り込んでるのがむしろストレートで良かったです
人が人を想う事の素晴らしさ
儚さ
切なさ
優しさ
温かさ
それらがギュッと詰まった本作は正に不朽の名作でしょう
締めに印象的だった作中の台詞を二つ
「明日の自分が今日より優れた人間でありますように」
「今日、海を見た もう怖くない」
この作品は、そんな加奈の生き様を描いた物語でした