そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「CROSS†CHANNEL」

学院の長い夏休み
崩壊しかかった放送部の面々は、
個々のレベルにおいても崩れかかっていた
初夏の合宿から戻ってきて以来、
部員たちの結束はバラバラで
今や、まともに部活に参加しているのはただ一人という有様
主人公・太一は、放送部の一員
夏休みで閑散とした学校、
ぽつぽつと姿を見せる仲間たちと、主人公は触れあっていく
屋上に行けば、部長の宮澄見里が、
大きな放送アンテナを組み立てている
一人で
それは夏休みの放送部としての『部活』であったし、
完成させてラジオ放送することが課題にもなっていた
以前は皆で携わっていた一同が結束していた去年の夏
今や、参加しているのは一名
そんな二人を冷たく見つめるかつての仲間たち。
ともなって巻き起こる様々な対立
そして和解
バラバラだった部員たちの心は、少しずつ寄り添っていく
そして夏休み最後の日、送信装置は完成する――
装置はメッセージを乗せて、世界へと――
というわけで名作の筆頭とも言える本作「CROSS†CHANNEL
確かに感動する作品なんですが、泣きゲーと言うにはあまりにも重く、深い物語
「考えさせられる作品」と呼ばれるものは数あれど、このCROSS†CHANNELはその中でも特に際立った存在だと思います
この作品が書いてるのは自分と他者の繋がり
「人と自分。私と他人。普通と異常」
あなたがいて、私がいる
そんな哲学的な問いを大いに含みながら圧倒的な存在感をもって迫ってくる怒涛の物語には、ただただ感嘆する

だが、そんな壮大なストーリーを通して描かれるのはただただささやかな人として当たり前の願望
生きるのって大変で難しい
そんな事を考えさせられる作品
だから、これは個人的には人に面白いよと勧めるタイプの作品では無いと思います
正直、人を選ぶなんてもんじゃありません
名作と聞いてプレイしたみたけど期待外れだったとか、どこが面白いのかが良く分からなかったなんて人も沢山いると思います
ですが、この作品を楽しめなかった人の方が多分幸せです
反対にこの作品をプレイして感銘を受けたとか激しく感動したり共感した人の方が不幸せだと思います
多分、この作品を本当に素晴らしいと思えてしまう人って凄く生きるのに苦労してる筈です
最後にこの作品の名台詞を一つ書いて終わります
「友情は」
「見返りを」
「求めない」