そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「沙耶の唄」

交通事故で生死の境をさまよった主人公・匂坂郁紀は、いつしか独り孤独に、悪夢に囚われたまま生きるようになっていた。
彼に親しい者たちが異変に気付き、救いの手を差し伸べようにも、そんな友人たちの声は決して郁紀に届かない。
そんな郁紀の前に、一人の謎の少女が現れたとき、彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる。
というわけで沙耶の唄です
火の鳥 復活編をのオマージュでもある本作
純愛と評される事も多い本作ですが、そこはニトロと虚淵
少なくとも一般的な恋愛感情で始る物語ではないです。
一言で言うなれば「狂気を纏った純愛」
相当突き抜けてます
物語冒頭のインパクトは本当に強烈なものがあります
だが、その物語は狂気を纏いながらも美しい
残酷で美しく、また純粋で儚い恋物語
そして、その先にあるのは終わりと始まり。
物凄く名作オーラを纏った作品です
後、虚淵氏の作品は得てして短いですが、今回の『沙耶の唄』はさらに輪をかけて短かいです
ただ、その短い中に中身がぎゅっと詰まってます
テキストも流石に上手で、視点がころころと入れ替わるにもかかわらず、戸惑わずに物語に集中できるのは正にライターの腕でしょう