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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「ぼくのたいせつなもの」

産まれ付き病弱で永くは生きられない運命を背負った主人公・智樹
そんな彼には冬木茉優子という憧れのクラスメイトがいた
ある日、彼は彼女と約束をするがすっぽかされてしまい落胆する
だが帰宅すると茉優子は何故か彼の家にいた
そこで彼は衝撃の事実を知る
彼女は智樹に臓器を提供する為に作られた人工生命体だというのだ…
そして、そんな事実を突然知らされた智樹と茉優子との奇妙な同棲生活が始まる
戸惑い、憎み、そして愛情…様々な想いが交錯する日々の中で、二人は自分達の「ほんとうにたいせつなもの」を必死に捜し求める…
というわけで今日は ぼくのたいせつなもの
ロケットの夏focaさんが手掛けた本作は隠れた良作と言えます
実はこの作品は、前回紹介した らくえん に収録されてるショートストーリーです(DL版なら単体で購入可能)
本作はくだらなさに満ち溢れていたらくえんとは対照的に徹底的にシリアスな物語
描かれているのは死生観
そして、人が人を想うという愛情に溢れたエゴ
主張を押し通せば確実に相手を傷つける
だが、エゴ丸出しであっても譲れない想いがある
この作品の最高に切ない所は、みんなエゴ丸出しの癖に誰も悪者がいない事だと思います
智樹の代わりに死ぬ為に産まれて来たくせに彼を魅了してしまった茉優子
憧れの女の子を殺してまで生きたいとは思わない智樹
智樹に生きて欲しいからこそ本人の意思を曲げてでも延命を望み力づくで無理に押し通そうする彼の家族
何という悲劇であろう
短いながらも中身は非常に濃い本作
智樹の人ではないんだけど、心を持ったヒトと変わらない存在を救おうと思う当たり前の気持ちが美しく特に印象的でした
そして、茉優子がヒトと殆ど変わらない存在であるのを理解しつつも、智樹を救う為にそれを認める訳にはいかない家族達の想いもまた印象に残りました
ナルキッソス辺りが好きな人には是非オススメです
それにしてもここまでガチな内容は、らくえん本編からは想像もつきませんね
だって、本編は
「普通は妹とセックスするよね?」
という問いに対して
「するね」
「はい、しますね」
と答えるようなエロゲ脳なキャラが多数な作品ですよw
でも、不真面目で馬鹿馬鹿しいらくえんの方が妙に生々しくて
真剣で深い内容のぼくのたいせつなもの の方が完全にフィクションにしか感じなかったりする
この辺の対比も中々面白かったりします