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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「Dear My friend」

主人公・森川恭一は、退屈で刺激の少ない日常を過ごしていた
だが、ある日から、彼の生活はほんの少しだけいつもとは違うものになっていく
きっかけは両親が一人の孤児を自宅に引き取ってきた事
恭一と同い年の少女である
両親曰く、身よりのない彼女の里親になる事にしたのだという
突然増えた家族に、戸惑う恭一
それは引き取られてきた少女も同じの様子
だから二人は友達になる事にする
一緒に暮らしているとはいえ、友達が増えるだけなら問題はない
そんな風に思いこもうとする
恭一は自分の親友達にも麻衣を紹介し新たな仲間に加えていこうと試みる
一つの変化を除き何も変わらない日常
でも、一つの変化が何かを変えつつあることを誰もがひっそりと感じていた――。
というわけでDear My friend
もしも明日が晴れならば」のNYAON氏
Dies irae」の正田崇卿という一見ベクトルの違う実力派ライター二人が手掛けた本作
主題歌の冒頭の一節がこの作品の全てを表している
「本当は好きだって言いたいけれど、友達というハードルは高すぎて
たった一言が言えない」このフレーズから感じとれる様に本作は甘酸っぱさに満ち溢れている
それを好意的に受け止める事が出来るかどうかが、本作を楽しむ上でのキモだろう
これは、とても、ちっぽけだけどとびきりに真剣な淡い青春の物語

自分の中での相手を想う気持ちに整理がつかない
相手の好意に素直に応える事が出来ない
女の子と付き合う事への恥ずかしさ
そして、友情が恋愛に変わる事への恐れ
そんな気持ちを思春期の頃に抱いたり、経験した事がある人にとっては、プレイしていて頭を掻き毟りたくなるような素晴らしい作品だ
思わず思春期のあの頃に想いを馳せずにはいられない
そんな本作は、ライターごとにタッチの違いこそあれど実に真摯に「恋愛」を描いている
くすくす氏の絵や、WHITE-LIPSと樋口秀樹氏の手掛けた音楽との相性も抜群で非常にバランスが良い一作と言えるだろう
(個人的に本作のED曲である「昔、夢見てたことは」はWHITE-LIPSの中でも特に名曲だと思っている)
さて、そんなこんなで友情と愛情の間で苦悩する主人公とヒロインを描いた、思春期の頃の1コマを切り抜いたような本作
レビューの締めは非常に印象的なパケ裏の一文で
「僕たちは恋をする。
何かが変わってしまうことを知りながら
それでも…僕たちは恋をする――」