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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

コラム「甘い、酸っぱい、苦い」

俺が恋愛物語に対して良く用いる形容詞に「甘い、甘酸っぱい、ほろ苦い」の3つがある
「甘い」は、好き同士が素直に結ばれるような物語に対して
「甘酸っぱい」は、お互い好意を抱きながらも素直になれず、中々結ばれないような物語に使う
この辺は前回のコラムで散々語ったが
「ほろ苦い」に関してはピンとこない人もいるだろう
これは、言うなれば酸っぱいを通り越して苦いと感じるような痛みを伴う物語に対して用いる形容詞である
解り易く言うと、失恋、喪失、切なさ、苦しさといった要素が関わるような恋愛物語に対してだ
以前、語った「甘酸っぱい」も十分ニッチな嗜好だが、「ほろ苦い」は、それよりもさらにニッチで好みが分かれるだろう
そんなほろ苦さを俺は愛して止まなかったりする
当然の如く、秒速5センチメートルも好きだ
胸を抉るような切なさや痛さにカタルシスを覚えるという意味では一種のマゾかもしれない
恋の成就を勝利とするならば
失恋は敗北に他ならない
しかし、勝利よりも敗北から学ぶ事の方が多いように、「甘い」よりも「ほろ苦い」の方が妙に胸に響いたりする
それはきっと喪失から得る物もまた掛け替えのない何かだからなのだろう
現に、この手の物語の主人公は不思議と晴れ晴れした表情でエンディングを迎える事が多い
もう少々細かな話をすると
「何も言わずに終わる恋」なんてのは本当に堪らない
相手を真剣に好きだからこそ身動きがとれなくなる気持ちは良く解るし、恋愛に対して責任や資格を意識しだすと気軽に好意を告げる事など出来ず本当に何も言えなくなる
俺が大好きな早狩武志の「僕と、僕らの夏」は正に何も言わずに終わる恋の話であるし
同じく大好きな「はるのあしおと」なんかは、その終わった恋からの再生の物語である
ちなみに終わりや喪失からの再生と復活の物語なんかも大好きです
そういう点では「StarTrain」も正に喪失からの再生の物語であった
「真に相手を愛しているのなら、最優先すべきは相手の幸せである」
その考えの下、涙を流しながら別れを告げる主人公の姿には胸が苦しくなったのを覚えている
また、前述した作品とは少々違った系統のほろ苦さを持った作品ならば「天使のいない12月」だろう
作品全体に漂うダウナー感や、悲しい程に噛み合わない登場人物達の恋愛観
あれは本当に痛く切なくほろ苦い
そんな物語を愛する俺は、やはり物好きなのだろう
あぁ、海がきこえる