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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「MARIONETTE-糸使い-」

ある日、彼の拾った紫色の石が全てを変えた
石は紫の糸となって、彼に寄生した
糸が与えたのは、人の精神を操る力
彼は飽いていた
ただ流れるだけの日常を打破する、己を満たすものを求めていた
力に酔いしれ、人々を蹂躙し、陵辱する
そんな彼の前に立ちふさがる者が現れた
手には糸
紫の糸とは違う能力を持った、赤い糸
なす術もなく倒れ伏す彼
しかし顔は笑っていた
唇の端を吊り上げる様に
窮地に追い込まれる事
そこから這い上がり、相手を蹴落とす事
そのどちらもが、これまで抱いたことのない、至上の喜び
彼の狂気と欲望と喜びに満ちた日々が始まる…
というわけで MARIONETTE〜糸使い
マイナーだが、個人的には非常にお気に入りの一作だ
陵辱+燃えというありそうでなかった構成も中々ユニークで邪気眼なシナリオ&主人公+グリリバ声という組み合わせだけで飯三杯はいける
本作の邪気眼ぶりは、以下の会話から感じて欲しい
・敵と一戦交える為に音楽室へ向かう主人公
室内へ入ると敵がピアノを弾いている
ピアノの腕前に賞賛を送る主人公に対して「こういった曲に造詣が深いんですか?」と尋ねる敵
以下、主人公と敵の会話
主「ああ、民放なんかでよく流れてる、湧いては消える泡の様な曲なんかに比べればずっと好きだね」
敵「そうですか?
私は好きですよ、泡の様に消える儚さって」
主「そうか…それじゃあそろそろ始めるか
どっちが、その泡の様に儚く消えて行く運命なのかを決める戦いを」
という様に、先日も語ったが本当にこの主人公はキザである
そして、あらすじだけ見ればありがちな陵辱ゲーと大差無い本作を、ありがちな陵辱ゲーとは一線を画した物としている要因こそ、この主人公の存在に他ならない
特殊能力を手にした者が意図せず争いに巻き込まれるという展開ならばありふれているが
彼の場合は、むしろ意図的に好き好んで修羅場へと身を落とす
死を覚悟する状況に陥ってなお
「最高のシチュエーションじゃないか」
と笑みを浮かべる彼の姿は、尋常じゃない程に格好よく、特殊能力モノでありながら、能力によるごり押しではなく知略を駆使して戦うというスタイルも非常に面白い
そんな本作は、ある意味主人公ゲーとも言える
アンチヒーローでクールなんだけどドライでは無いという一癖ある主人公の姿は見ていて本当に飽きない
主人公のキャラ1つで物語は、こうも面白くなるという事を教えてくれた一作であった