そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

非エロゲレビュー「カオスヘッド」

「三次元に興味はないよ」と言い切り、基地と呼んでいるコンテナハウスで大量の美少女フィギュアに囲まれながら生活する、引きこもり一歩手前の主人公・西條拓巳
彼が住む渋谷では、『ニュージェネレーションの狂気』と呼ばれる連続猟奇殺人事件が発生し、ネットやテレビを日々騒がせていた
ある日、いつものようにチャットをしている彼の前に、『将軍』と名乗る人物が現れる
彼が発言したURLのリンク先にあったものは次のニュージェネ事件を予言するようなグロ画像だった
さらに、翌日、彼は、予言された通りの殺され方をした、凄惨な事件現場に遭遇する
彼の平穏な日々に猟奇事件の影が忍び寄っていた──
というわけでカオスヘッド
終盤の展開が賛否両論の本作だが、楽しめたか否か?という問いに対して「楽しめなかった」と答える人は、意外と少数派ではないだろうか
本作の特筆すべき点、それは物語の盛り上げ方とプレイヤーを惹きつける事の上手さだ
これ程先が気になる作品は、そうは無いと言える
伏線や謎を序盤から非常に多く散りばめた物語は、一体どこに着地しようとしているのかが本当に読めない
序盤から一気にテンションを上げてプレイヤーを物語に引きずりこんでしまう本作は、まさにスタートダッシュ型の作品と言った所か
ただ、言い換えると後半の息切れ感は否めないという意味でもある
そういう点も含めて、俺は、本作を浦沢直樹作品の様だと評したい
氏の作品も序盤、中盤の盛り上がりに対する終盤の失速具合がよく指摘されがちである
だが、序盤、中盤の盛り上がりで物語を十分楽しめてしまうので、例え物語のオチに納得がいかなかったとしても、作品を楽しめなかったとは言えない辺り、本当に上手く出来ている
個人的に本作は、それを確信犯的にやったのではないかと疑っていたりもする
それから、本作を語る上で絶対に忘れてはならないのが、主人公を演じる吉野裕行氏の神演技だ
これが本当に神憑っている
「フヒヒww」という笑い方や、普段人と話慣れてないキモヲタが必死に言葉を紡ごうとしてどもってしまう様をここまで上手く演じられる声優は、そうはいないだろう
他に、直面した状況に対して、ポジティブorネガティブな妄想に耽るのを選べる妄想トリガーというシステムも非常にユニークだ
この妄想がまた中々扇情的でエロい
そういう諸々の要素をひっくるめて面白いと言える作品であった
後、妹が凄く可愛いかったです