そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

コラム「10年代の始まりとlookback2000」

意識している人は少ないかもしれないが、今年2010年は、2010年代始まりの年であった
こういう節目の年にはオタク業界にとって何か大きなうねりが起こるのではないかと勘ぐってしまうのは、些か想像力過多だろうか
例えば、ちょうど10年前
00年代の始まりを告げた2000年のオタク業界を振り返ってみるとこれが中々印象的な年だったりする
プレステ2が発売されゲームのクオリティが一気に跳ね上がり
この年放映された仮面ライダークウガは、今なお高い人気を誇る平成ライダーシリーズという大きなムーブメントを作り上げた
そしてエロゲ業界では、AIRkanonから始まった泣きゲーというジャンルを確固たる物とし、ニトロプラスから発売されたファントムは非萌え系エロゲの可能性を世に示した
また、同人でありながら商業を凌ぐクオリティを実現した月姫は、数多のアマチュアクリエイターに夢を与え、同人界の伝説となった
基本的に日陰の存在だったエロゲは、この00年から02年にかけて、一気に日の目を見る様になり、オタク業界の中の一大勢力へと成長していく
これはアニメ業界がエヴァブームという一種の社会現象の後に訪れた必然的とも言える沈滞期から抜け出せておらず、何かしらの起爆剤を欲していたオタク業界が泣きゲーという目新しいジャンルの存在に飛びついたという事情もある
ちょうどこの時期に質の高いエロゲが多くリリースされた事も後押しとなったのだろう
さて、そういうわけで今年のオタク業界を見渡してみて、これから先の10年代を彩りそうな何か新しいムーブメントの予兆はあっただろうか
けいおんブームは去年から継続した物だし
ボカロは安定期に入ったと言っても過言ではない
エロゲ業界も安全運転の作品が多く、評価が高かった素晴らしき日々に至っては、90年代の遺産とも言える
好調と思われていたラノベ業界もヒット作とそれ以外の格差の大きさがクローズアップされ
地方とオタク文化のタイアップが話題を呼ぶも、市場全体としては依然縮小傾向にあるという
正直、特別目を引く明るい話題は少ない気がする
だが、冒頭で述べたように10年代始まりの年だからといって何かあると勘ぐる事自体がナンセンスなのかもしれない
或いは、何かしらの大きなうねりが始まっている事に俺が気づいていないだけか
少なくとも、そのうねりが先日可決された表現規制に絡んだマイナス方面の何かではないと祈りたい
※コメ欄に追記あり