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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

雑記「エロゲーマーの俺が読む漫画 序」

たまには漫画の話でも
というわけでエロゲーマーの俺が独自のセンスで選んだ漫画を幾つか紹介したいと思います
第一回目の今回はこの作品
3月のライオン/羽海野チカ
平たく言うと将棋漫画ですね
現在もヤングアニマルにて連載中です
ちなみにこの作品を知ったのはベルセルクの巻末に載ってた紹介記事でした
作者の羽海野チカさんといえば、ハチミツとクローバーが有名ですね。一時期ホビージャパンでコラムを書いたりもしていました
さて、この作品。将棋を題材にしていて細かな戦術についての話も沢山描かれるんですが、それほど将棋に詳しくなくても十分楽しめます
むしろ、将棋はあくまで題材に過ぎません
本当の見所は主人公を軸にした登場人物達が織りなす人間ドラマです
本作が描いているのは、主人公である若きプロ棋士 桐山零が生きる事に苦悩し、もがきながらも少しずつ前に進もうとする姿
作中の台詞が本当に印象的で一言一言がやけに胸に染みます
ただ極めて内向きの物語でして、正直、主人公に共感出来ない人には面白さがさっぱり解らないかもしれません
とにかく徹底して主人公の内面の葛藤や繊細な心の機微を描いています
これほどまでに切なさと痛さを感じさせる作品は、そうそうないのではないでしょうか
いつまでも浸っていたいと思わされる優しさと、出来る事なら目を背け続けていたい辛さが入り混じった危うい世界観も本当に素晴らしい
それから、本作を読んでいると自然に意識してしまうのが人生における「道」の存在です
人としてのありふれた営みに背を向けて踏み出した遥か高みに続いている「道」
その先には何があるのだろう
いや、そもそも道に踏み出した事は日常に生き甲斐を見いだせなかった自分にとっては逃げ出したも同然ではないのか
それでも道の先を目指さなければならない
何故なら、今自分が歩むこの道は数多の人の犠牲の上に存在しているのだから…
主人公の桐山君は、そんな想いを抱え苦悩しながら少しずつ道を歩みます
その生き足掻く様に俺は心を打たれてしまいました
高みを目指す事、夢に生きる事の陽の部分よりも陰の部分を描いた作品だと思います
こういう夢に生きる事を全肯定しない作品って凄く好きなんですよ
バガボンドしかり猫の地球儀しかり湾岸ミッドナイトしかり
きっと夢に生きる事が肯定されない世界で必死に足掻く登場人物達の姿が好きなんでしょうね