コラム、レビュー、小説、JS転生中「サド、マゾ、イジメ、歪んだ性描写。 どれ一つ取っても純エンタメでは命取りとなるそれらを纏めて小説にしちゃうあの人のハナシ」
み、みなさん、どうもこんばんわですっ。
今回からしばらく、JSに転生した状態で雑文を書かせていただきますっ。
えっと、今日はですね、最近読んで面白かったご本の紹介をちょっとだけしてみようかな、なんて思ってたり。
それで、そのぉ……、つたないかもしれませんが、どうかどうか、よかったら読んであげてください。あ、わたしのレビューもですけど、よろしければ紹介した本のほうも……。
というわけで、今日ご紹介するのはですね、
『J・さいろー先生』
という作家さんを皆さんご存じでしょうか。
わ、わたしはその……、あんまし、とうか全然まったくもって詳しくないんですけど、なんでもエッチなゲームのシナリオライターさんなんかもやっていらっしゃるお方みたいですね。
い、云っておきますけど、親戚のお兄さんの友達の弟の従姉妹から訊いた話によるとですよっ!
わたしはそんないやらしいゲームなんかに興味はありませんからっ(ドキドキ)
で、今回お話に挙げる作品は、ゲームじゃなくて小説のほうなんです。
ただ単に、最近(といっても結構経っちゃいましたが)読んだのを挙げてるだけなんですけどね。
「ノークターナルプレイグラウンド」
「クラスメイト」
「絶対女王にゃー様」
わたし、この辺を一時期立て続けに読んだんですよ。
そしたら、もう頭のてっぺんから足の裏にかけて、ビビビと電気が走るぐらいの衝撃を受けちゃってですね。
はわわ、この人、すごいよぉ。
なんて、口に出して云っちゃいそうなぐらいのクリティカルヒットだったわけです、はい。
じゃあ、何がそこまですごかったのかというとですねぇ。
作者が有しているであろう人間を見る目の、異常な鋭さ。
登場人物たちから絶えず感じる魂の飢餓感。行き場のない、満たされない想い。
それらと深く絡み合う、歪んだ性癖やイジメ問題といった後ろ暗い要素。
こういったのっぴきならないものばかりを、よくもまあ詰め込んだものだと感心しちゃったんですっ。(エヘヘ、なんだか難しい言葉をつかちゃいました)
特に、いま何かと旬な、イジメに関する描写はホントにすごいですね。
あ、エグイとかひどいとか、そういうのじゃないですよ。なんといいますか、本質が見えてるなぁ、と。
これ、クラスメイトの作中から抜粋したんですけど、この感覚ってみなさん理解できますか?
『 小走りで戻った伊東が、壁に追いつめられた杉浦にまた膝蹴りを入れる。
「同じとこばっか狙うなって、ホーストかよ」
突っ込むと男子がどっと笑い崩れた。伊東がホーストダンスを真似して、別の男子が膝蹴りのかわりにローキックを打つ。太腿を赤くした杉浦は、手でガードしながらヘラヘラ、ヘラヘラ。
ああなったら笑うしかないのだ。どんなに痛くても、笑っていれば格好がつく。あくまでも格闘ごっこなのだ。 』
ちなみに、主人公は伊東でも杉浦でもなく、傍観者の位置にいるってのが絶妙だなぁ、なんて思っちゃったり。(何が絶妙なのかは、わかる人ならわかりますよね)
それで、クラスメイトの作中には、そういう風にやられながらも、ヘラヘラ笑わずに、だからといってやりかえすでもなく、黙って耐えるキャラも登場するんです。
で、その子に対してマゾの主人公が吐き捨てるんですよ。
「あいつ、バカなんだろうな」
これ、なぜその子がバカなのかわかります?
なるべく波風立てずに生きていきたいんでしたら、わかっておいたほうがいいですよ。わかったところで悲しいですけど。
おっとと、JSのくせに出すぎたことをいっちゃいましたっ。いけないいけない。
あと、さいろーさんの作品には、高確率でサドとマゾの話が登場したりします。
皆さんはSとMのどちらですか?
そして、どちらのほうがホントに強いと思いますか?
わたしはですね、Mのほうだと思うんです。
よくお話のなかだと、M=弱さ、と混同されがちですが、よっぽどSのほうが孤独で弱いですよ。
だって、Mっていうのが本質的に受け入れる者なのに対して、Sっていうのは攻撃する者ですから。
そういうのに興味ある人は、さいろーさんの作品のなかでもクラスメイトは特にオススメです。
他に、この方の作品ですごいなぁと思っちゃったのがですね、文章がべらぼーに上手い。
わたしなんかが褒めたからなんだって話ではあるんですが、描写もキレイですし、もうセンスが抜群なのですっ。
感性がすごくイイのでしょうね。
これは会話文ですなのけど、わたしが特に好きなやりとりだったり。
「死ぬの怖いの?」
「怖いよ、オレ人生捨ててないし」
はわわ、死ぬとか物騒ですっ。
でも、死ぬのが怖くない人って、言い換えれば人生を捨てちゃってるだけなのかもしれませんね。
わたしがどっちなのかはヒ・ミ・ツですっ!
他にはこれとか、
『 残念ながら僕と彼女は似ているのだ。釣り合いの取れない、凹と凹だった。
(中略)
「凹かぁ……なんか、ボコボコって感じでやだね」
「じゃあuとnでもいいかも」
「ふーん……」
沙由里が親指と人差し指でuの形をつくった。逆の手でnを作る。
「これ、合わせると○になるね」
両手で丸を作った沙由里が、鏡越しに僕に笑いかける。なるほど、そんな考え方もあるのか。僕には絶対に思いつかない発想だった。 』
と、色々書いてたら、すっかり文字数がかさんじゃってますね。
最後になりますけど、さいろーさんの作品の何が一番注目に値するのかというと、これらがジュブナイルポルノというジャンルで書かれた作品だということなんです。
この手のジャンルって、何冊か読めばわかりますけど、基本的に実用性重視で文学性や物語性がまず求められていなかったりします。
だけど、そんななかでも、ジュブナイルポルノとしての基本線を抑えつつ、これだけ個性や魅力を出してるのって素直にすごいし、たいしたものだと思うんですよ。
あ、そういえば、にゃー様はガガガ文庫でしたっけ。すいません(ペコリ)
……っていうか、わたしってば、JSのはずなのに何こんないやらしい小説の話をしてるんでしょ。
い、いえ、これは全部人から訊いた話で、わたしはポルノ小説になんかこれっぽっちも興味はありませんからっ!
※J・さいろー先生の作品なら、スイートスイートシスターもオススメなんだよっ。
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ノクターナルプレイグラウンド (TSUKASA MOOK 67)
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