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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

雑記、コラム、エヴァ「時代に追いつかれ、追い越され」

 はじめて観るわけでもなかったので、作業しながら、ネットを覗きながらの視聴だったのですが、金曜ロードショーで放送していた新エヴァの破を観ました。
 内容については今さらとやかく云うつもりはないのですけど、新エヴァの人気が盛り上がりはじめた時期から、ネットを覗いててちょっと気になっていた傾向があってですね。
 それは何かというと、アスカ人気の高さなんですよ。
 いや、別にアスカ自体は昔から不人気キャラというわけではなかったのですが、最初のブームのころは、どうにも綾波というキャラのインパクトの前に霞んじゃっていたのも事実なんです。
 サイレンススズカとステイコールドみたいなもんですな。
 これ、憶測ですけど、正しくはアスカが大人気というよりかは、綾波人気がかつてのようにはいかず、伸び悩んでるんじゃないでしょうか。
 もちろん、綾波自体は今でもエヴァのなかでは人気キャラに違いないでしょうし、新エヴァだと、だいぶソフトになってとっつきやすいキャラにもなっているんですけど、かつての熱狂の一端を眺めていた者の感想としてはなんか物足りなさを覚えてしょうがない。
 だってね、90年代末の、あの時代を知っている人たちならわかるでしょうが、
 
 『エヴァ綾波
 
 ってイメージができあがっちゃうぐらい、あのキャラの人気ってすごかったじゃないですか。
 比喩じゃなしに一時代を築いてた。
 だけど、新エヴァの周辺には、あのころの綾波熱みたいな煮えたぎった空気はもう感じられないわけですよ。
 僕は、ぼんやりとこう思いましたね。

「ああ、時代がとおりすぎていったんだな」

 たしか、原恵一監督(オトナ帝国の人)が云ってたと記憶してるんですけど、
「新しいものはいつかきっと時代に追いつかれるよ。必ず古くなるよ。時を経ても支持されるのは普遍的なものなんだよ」
 といったニュアンスの言葉を思い出さずにはいられませんでしたねえ。

 綾波レイっていうキャラはですね。紛れもなくあの時代の最先端をいっていたわけですよ。
 ああいう無口系ミステリアスヒロインの前例自体はあったのかもしれませんが、ああもセンセーショナルに脚光をあびたのは綾波レイがはじめてだったのは間違いないと思います。
 対して、惣流・アスカ・ラングレーというキャラは、当時ですらわりとスタンダードな記号の集合体で、そこまで目新しさや物珍しさはない強気系ヒロインだったんです。
 けれども、エヴァの初放送からもう17年近くの年月が流れて、その間に、綾波に似てたり似てなかったり、色んな無口ミステリアス系のヒロインが誕生し、脚光を浴びたり浴びなかったりしているうちに、かつて綾波に付与していた先進性、纏っていたある種の神々しさみたいなのが夢から覚めるように薄くなって消えていったのは、揺るがしがたい事実なんです。
 そうなると、綾波レイというキャラはもう時代に愛され祝福されていた女神じゃなく、ただの1ヒロインにすぎなくなる。そして、その結果として、永遠の二番手だったはずのアスカと人気を競いあうような今の立ち位置があるんじゃないでしょうか。
 放映当時はなかった、ツンデレなんていう、アスカみたいなキャラをカテゴライズするのに非常に便利な言葉が生まれたことよる安心感みたいなのも大きかったでしょうし。

 
 こういうのってね、見渡せばたくさんあると思いますよ。
 当時最先端をいっていたのが、時代に追いつかれ追い越されちゃったパターン。
 僕は詳しくないですけど、音楽業界なんかは特にすごいでしょうな。
 
 ジャンルはちがいますけど、ひとつ実体験としては、僕がブギーポップを読んだときの感想というのがあります。
 あの作品って、出た当時はものすごいセンセーショナルに迎え入れられたらしいんですが、それから10年以上を経てから読んでみた者の感想としては、正直云って先進性を感じ取ることはできなかったですもん。
 あ、純粋な作品としての面白さとはまた別ですよ。
 あくまで当時の熱なり、新しさなりを感じ取れたかどうかという話でございますことよ、オホホ。
   
 それともうひとつ、新エヴァでは控えめではあるんですが、ゲンドウのおっさんと冬月先生が織りなす、意味があるんだか無いんだか不明なもったいぶった思わせぶりなやりとりなんてのは、最近じゃネタとしてしか扱われないような厨二病的やりとりそのものですね。

「〜〜が〜〜したか。〜〜に記されていた通りだな」
「ああ、〜〜はすべて順調だ。〜〜の〜〜……(特に説明無し)」
「だが、〜〜が黙っていまい」
 ※「〜〜」に当てはめるキーワードはお好きに。

 こういうのがある種のネタになっちゃったのもまた時代の流れなのでしょう。