連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第四話〜エロゲ熱、加速〜」
ヤフオクでエロゲを購入するというスタイルは非常に効率が悪かった。
欲しい作品が必ず出品されているとは限らないし、基本的に個人売買だから送料や手数料がやや割高だったりもする。
当時、ネット閲覧の手段が携帯電話しかなかった僕が、何か他に効率の良い手段はないかと探してみた結果が“ゲーム博物館”という携帯からも閲覧できるサイトとの出会いだった。
http://www.comshop.co.jp/g-haku/
このサイトは、CS、PC問わずゲームソフトの中古価格の相場を教えてくれるサイトで、当然ながらエロゲの情報も網羅していた。
加えて、何よりもありがたかったのは、ソフトの相場情報が表示されるページから、このサイトを運営しているコムショップという通販をやってるゲーム屋さんにゲームソフトをそのまま注文することができる点だった。
これでエロゲを確実に手に入れるための環境が整ってしまい、僕のエロゲ熱は加速度的に勢いを増してゆく。
特に、エロゲにはまった最初の一年は、えらい数のエロゲをコムショップから買ったものだ。(毎週どころか3日おきぐらいにエロゲを届けてくれた黒猫ヤマトの運ちゃんに感謝)
2chのエロゲ板に出入りしはじめたのもちょうどこのころだ。
http://kilauea.bbspink.com/hgame/
http://kilauea.bbspink.com/hgame2/
http://pele.bbspink.com/erog/
今でも覚えているが、はっきり云って、エロゲ初心者にとってあそこは魔窟だった。
泣きゲースレ(泣けたエロゲを語るスレ)
萌えゲースレ(燃えゲーを語るスレ)
ストーリースレ(ストーリーが素晴らしいエロゲースレ)
作品名が頻繁に挙がるこれらのスレを、僕はよくのぞいていた。
今ではすっかり、スレどころか板自体が過疎ってしまったが、当時はまだまだエロゲ黄金期の名残が残っていて、ユーザー間では日々活発な議論が交わされていたのだ。(いや、今過疎り過ぎでしょ。ストーリースレとか3年かかって1スレ消費できてないもん)
で、どの辺が魔窟に思えたのかというと、もうね、飛び交う作品名が略されすぎてて初心者にはちっともわかんねえよっ!!
かにしの
車輪
ハロワ
C†C
あけるり(今では、よあけなって略称のほうがポピュラーみたいですね)
こんにゃく
ちょうど僕がはじめてエロゲ板をのぞいた時期に挙がっていたタイトルである。(現在も続く慣習なのだが、タイトルを妙な略しかたをするのがエロゲ流)
おかけで、とりあえずググって調べてみる習慣が身につきましてとさ。だって、わかんないからねっ。
そして、生の情報に触れることで、エロゲの名作良作と呼ばれる作品にどんなのがあるのか、
これから期待されている作品はどんななのかを僕は知っていく。
優先的にプレイしたのは過去の名作、良作群だった。
これには第一の理由にコスパの事情があって、旧名作というのは実にリーズナブルに数を揃えられたのだ。
第二にパソコンのスペックの問題。
Windows98を入れてるようなへっぽこダイナブックでは、最新作をプレイするには圧倒的にスペックが足りてなかった。(推奨環境、必須環境とはなんぞやをよく理解しておらず、実際に痛い目をみました。ふぇぇ〜)
成り行きではあった。だが、選んだ道は僕にとって大正解だった。
あえて古い作品からプレイしたこと。
プレイした作品のレビューを漁ってるうちにサイトを通して発売当時の空気をわずかながら感じられたこと。
これらによって、すでに過去のものになろうとしていたエロゲ黄金期を、僕は追体験することができたのだ
そうしているうちに、エロゲと出会った2006年は終わり、2007年が幕をあける。
エロゲに狂った一年のはじまりだった――。
※余談
2006年のオタク絡みな出来事で覚えているのが、NHK―FMで不定期に放送されるアニソン三昧の第一回が行われたことですね。
たしか放送当日、僕は携帯で2ch実況を追いながらラジオに耳を傾けていまして、番組の終わりのほうでLiaさんの鳥の詩が流れたんですよ。
そしたらね、2chの実況板がえらい騒がしくなりはじめまして。
そのころ、僕はまだ全然エロゲにはまってませんでしたから、盛り上がりの理由がピンとこなかったんですけど、天下のNHKがエロゲ主題歌を公共放送で流したぞ、ということで盛り上がってたんでしょうな。
その後は、Liaさん自身がゲストで番組に出演したり、生ライブをやったりなんかして、今となってはすっかり定番になってしまい、ありがたみがなくなっちゃいましたけれど。
あと、ハルヒのアニメ人気が爆発しかけていたのも06年ごろでしたね。
全然アニメを知らなかった僕にの耳にもタイトルが聞こえてきてましたし。
前述したアニソン三昧にゲストとして平野綾さんが出演して、ツンデレとは何かを水木一郎さんに講義したりしてました。
ツンデレなんて今じゃ珍しくもなんともない用語なんですけど、当時はまだそう認知されてなかったんですよ。