そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

コラム「おおきくなったら」

先日たまたま点けていたラジオから、こんなCMが流れていたんだ
女の子が父親に、こう質問するんだよ
「パパは大きくなったら何になりたいの?」
それに対して父親は「パパが子どもの頃の話かい?」と、返すんだ。すると娘は
「ううん、パパがもっと大きくなったらの話」と、答える
一見何気ないやりとりに思えるけど、実はこれはかなり哲学な問いだと思わないかい
誰もが子どもの頃に聞かれたであろう将来の夢
それが現実的なものであったか非現実的なものであったかは人それぞれだろうけどさ、それなりに将来のビジョンってのは持ってたわけじゃない
それをさ、社会人になった今、改めて聞かれたらちゃんと答えられるかい?
このCMの女の子が聞いてるのはそういうことなんだよね
子どもの頃に聞かれる将来の夢は「大人になったら何になりたいか?」って意味なんだろうけど、大人になってから聞かれる将来の夢は「人生の目標」って意味だと思うんだ
これは難しい
でもね、これと向き合わない人生ってのはあんまりに空っぽだとも思うんだよ
何となく生きていければそれでいい?
いやいや、その「何となく」の中身が大事なんじゃないか
別にただ食べて寝るだけの生活を送るわけじゃないだろ
とびきり美味い酒を飲みたいだとか素敵な結婚だとか可愛い娘や孫に看取られたいだとか何かあるだろう
せっかく一生懸命勉強して、いい会社に入ったのに行き着く結論が「何となく生きる」じゃあ悲しいじゃないか
まあ、考え抜いた末の結論がそれだったのならアリなのかもしれないけどね
ん、僕かい?
そうだな、僕の将来の夢は……今よりずっと歳をとった僕が買い物に出かけたとする
日曜の昼下がり
そこで楽しそうに談笑する家族とすれ違う
両親は僕と同年代ぐらいだろうか
絵に描いたような幸せな家庭
お父さんお母さんと手を繋ぎながらはしゃぐ子ども
一方、僕が手に握るのはエロゲがいっぱい詰まったレジ袋
勿論、独身さ
僕はその幸せそうな家族とレジ袋を見比べて思う
「君たちは幸せなんだろう。でも、僕だって幸せだぜ」
そして僕は見知らぬ家族の幸せを祈りながら早くエロゲをプレイするために家路を急ぐ。
そういう境地に達することが僕の人生の目標かな
おかしいかい?おかしいね
でも本気だよ
さて、ここまで僕の世迷い言に付き合ってくれてありがとう
みんなが素晴らしい人生の目標を見つけられることを祈ってるよ
君たちの人生に幸あれ!