創作論、雑記「人物描写について調べてみた」
仕事が休みだったこともあり、ふと思い立って、小説における人物の容姿の描写を何冊かの商業作品を参考に調べてみたので、それらを抜粋してみます。
あんまり無差別に選んでもまとまりにかけるので、“現代が舞台”“はじめて出会う女の子”と軽く条件を設けてます。
つまり、ヒロインとの初対面シーンですね。
あ、加えるなら、どの子ももれなく作中にて美人、可愛いと評価を得ているキャラクターたちです。
大半はラノベですけど、一般エンタメとエロ小説もほんの少しだけ混ざってますね。
で、実際に調べてみて実感しましたけど、キャラのイメージを表現するために顔かたち体つきまで具体的かつこと細かに描写してる作品ってわりと少ないんですよ。
今回ランダムに選らんでみた作品は、あっさり目のが多かった。
のっけから、髪は〜〜色で、瞳が〜〜で、鼻筋が〜〜、さらには服が〜〜なんて詳細な外見描写を、ずらっといっぺんに書き綴ったりはまずしていない。
僕個人としても、容姿の描写はスマートなほうが読みやすかったりしますし、想像力に委ねる部分が多い方がある意味では楽だったりもします。。
とはいえ、顔や体のパーツがどういった具合なのかについて、まったく描写されていないというわけではなく、直接的にイメージを伝えるというよりは、読者の想像力を喚起する方向で使われていることが目立ちます。
この辺を参考にしていただくとわかりやすいです。
目や髪や肌なんかはピンポイントで具体的な描写を入れてるんですけど、その他までは細やかに描写せず、最終的なキャラクター像は読者のイメージに委ねている。
他には、服装やファッションセンスで、そのキャラクターのイメージを伝えているパターンも多かったです。
この辺は、中身の人間よりも、その装いをより強調してますね。
当然ながら、教科書通りに外見をきちっと描写している作品も数多くあります。それもまたひとつの正解ですから。
上二つはどちらとも有名なライトノベルですが、このシーンのキャラ描写限定で甲乙をつけるなら、後者のほうがテンポよく思えます。
というのも、一人称でなおかつ文の合間に挟むには、ちょっとハルヒのほうは説明口調っぽさが気になりました。
キャラの外見を描写するためだけに一定量の文章を割かないパターンもあります。
この辺は、他と同じような初対面シーンなんですけど、キャラクターの外見に関する描写はかなり小出しにしていました。
中には、キャラクターのイメージを伝えることにかなりの文章量を割いている作品もありましたね。
今回は現代ものからの抜粋でしたが、これがファンタジーやSFならまた違った傾向になるのかもしれません。
こういうのって、創作の参考に、という意図もありますけど、いち読者としても、このような些細な部分に注目してみるのも、その作家さんの癖や特徴に気づけたりして面白いものですよ。