そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「Routes」

主人公・那須宗一
ごく普通の学生生活を送る彼には、誰も知らないもう一つの顔があった
様々な場所に潜入し、その奥深くに隠された「情報」を手に入れるエキスパート
そんな彼が請け負った仕事は、謎のタンカー消失事件
ありきたりの仕事だった筈のこのミッションが、彼と彼の周囲を大きく変えていくことになる
謎の女、リサ・ヴィクセン
宗一の素性を知らないクラスメイトの皐月とゆかり
潜入先の酒場で働いていた七海
そして自分の過去を知る唯一の女性、義姉の 夕菜
運命の渦は、宗一を、そして彼を取り巻く人々を呑み込んでゆく
というわけで、序盤からハリアーやアパッチが飛び交う本作 Routes
大手メーカーの作品に対して言うのもあれですが、これは隠れた良作です
一言で表すなら、幕ノ内弁当の様な作品とでも言いましょうか
要は、それだけ色々な物が詰まってる作品という事です
故に、本作を高評価した人でもそれぞれ人によって好きな部分がバラバラだったりするのが中々面白い
そもそも、かにしのの様にライターが二人いて√によってノリがかなり違う上に
燃え、イイ話、伝奇、SF、ラブコメと言った具合に様々な要素が含まれている
それでいて不思議とテンポ良く綺麗に一つの作品の枠に収まっているのだから実にユニークな作品だと思う
そんな本作は、大きく分けて三部構成となっている
各ヒロインとの物語が綴られる一章
一章のまとめとも言える二章
そして、過去の物語を交えながら壮大なスケールで終焉へと向かう三章
といった具合だ
その中でも一章は二人のライターによる雰囲気の違いが強烈にでている
片やスプリガンチックな主人公が織りなす熱血スパイアクション
片や世の中の裏側を歩んできたが故に荒んだ心を持った主人公の救済の物語
主人公の性格が√ごとに全然違うせいで話によって本当に全然ノリが違うのと、むしろドンパチが少ない√の方が話が重かったりするのが中々面白かったですね
ちなみにどちら√の主人公も素晴らしく漢です
熱血√の清々しいまでのキザな厨二っぷりも良いですし
もう片方の√の家族計画の司のような一見冷徹なふりをしたツンデレっぷりも非常に良かったですね
あと、本作はテキストや台詞回しが開き直ってるとしか思えないくらい凄まじいまでに厨二でキザですので、そういうのが好きな人は堪らんでしょう
後は、音楽もレベルが高くボーカル曲は三曲どれも素晴らしいです