そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

コラム 創作練習小咄 「時代という言葉が、少し耳障りです。の巻」

窓の外――空は鉛色の曇天に支配されていた。 僕は窓台に肘をつき、さして感慨を抱くでもないその風景をぼんやりと眺める。体に纏わりつく気だるさの中、胸の内だけが、心だけが妙に熱くたぎっていた。 たぎりは、回転数を増しはじめた思考と同調するように、…

創作練習小咄、コラム、出崎監督「リスペクトしてる人の命日を間違えるってすごくかっこ悪いよね。の巻」

今日も天気が良い一日だった。五月初旬にしては例年よりやや気温が高く、昼も過ぎた頃には街行く人のなかには薄着姿も目立っていた。 「おう、兄上様のお帰りやでえ」 僕が気晴らしの散歩を終え自宅に帰宅すると、妹達が何やらパンフレットのようなものを二…

小咄、創作練習、コラム、わりとどーでもいい話「妄想九割と真実一割の春」

「お兄ちゃんは、結局のところ創作屋と批評屋のどっちをやりたいわけ?」 カレンダーの表示が卯月から皐月へと変わった日――夕食時の一幕。 妹のA美が何気なく口にしたこの問いは、僕の胸のうちを、言われた本人が思ってもみなかったぐらいグっと深くえぐった…