そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

2013-01-01から1年間の記事一覧

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第15話〜人と妖と人妖の、百鬼夜行にいざ参らん・2008冬〜」

僕は子供のころ、SaGaというゲームボーイのRPGが大好きでした。(特に2) この作品には他のRPGと比べて一風変わったところがあって、そこが大のお気に入りだったんです。 世界観の大ざっぱさとでも云えばいいのでしょうか。 ロングソードやバトル…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第14話〜怒りの日来たれり・2007末〜」

2007年の終わりごろ、本格的に街が白く染まりはじめた季節だったと思う。 思いがけない偶然がトントン拍子に重なって、僕は少しだけネットのできる環境を手に入れることに成功した。 ちなみに自宅ではありません。 冬ともなれば雪が二メートル近く積もる…

雑記、コラム、漫画「ある天才漫画家との出会い」

僕に限った話ではないと思いますけれど、物語を嗜むということにこだわりを持ちはじめると、知らずのうちに、あるいは自覚していても眼差しに角度をつけてしまいがちです。 褒めるにしても、貶すにしても、目を凝らすのが当たり前になってしまって、正面から…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第13話〜笑顔でメリークリスマス・2007末〜」

まだ10月ですので話題にするには少々気が早いですが、クリスマスというのはエロゲにおいても何かと重要なイベントだったりします。 冬が舞台のエロゲ=クリスマスが最大の山場と云い切っても過言ではありません。 次点でバレンタインっとこですか。 でね、…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第12話〜天使はいない・2007末〜」

前回、僕はクロスチャンネルをダシに共感や自己投影の話をさせていただきました。 見習いの身分ながら、自分でも筆をとるようになった今だからこそわかるのですが、エロゲに限らずビジュアルノベルやADVって、主人公の目を通して物語を追体験させられてい…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第11話〜いわゆる世界と自身とをつなぐアレ・2007秋〜」

“共感とは、他者と喜怒哀楽の感情を共有することを指す。 もしくはその感情のこと。 たとえば知り合いがつらい表情をしているとき、相手が「つらい思いをしているのだ」 ということがわかるだけでなく、自分もつらい感情を持つのがこれである。” 上記したの…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第10話〜でも、お高いんでしょう・2007秋〜」

「エロゲが面白いといったって、結局はたかが18禁のゲームでしょ。それにポンと5000円以上はだすのはなぁ……」 というのが、エロゲに手をだしたばかりのころの僕の正直な気持ちでした。 まぁ、いうまでもなくケチだっただけなんですが、とりあえず、線…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第9話〜ぱそこんのおべんきょう・2007秋〜」

CPU Celeron 366MHz メモリ 64MB HDD 8・1GB OSはWindows98 前にも書きましたが、これが僕が社会人になってはじめて購入したノートPCにして、エロゲにのめり込みはじめたころの主力機のスペックです。 要求スペック…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第8話〜エロゲライターを知る・2007夏〜」

僕がエロゲをプレイしていてシナリオライターを意識するようになったのはいつごろなのか。 その答えに辿り着くヒントは、ガガガ文庫の創刊時期にある。 というのも、ガガガ文庫が創刊したのって、ちょうど僕のエロゲ熱が加速しはじめたころなんですよ。 小学…

コラム、雑記「汝自身を愛せ」

出崎統さんという今はもう亡くなられてしまったアニメ界の巨匠がおられるわけです。 僕はこの人の作品が不思議と性にあいまして、手がけたアニメを空いた時間に少しずつ観ていったり、インタビュー記事を探したりなんかしているんですが、つい先日、「あっ、…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第7話〜燃えゲーいいよね・2007夏〜」

燃えゲーの話をしよう。 燃えゲーとはなんぞや? と仰る御仁のためにかいつまんで説明をすると、やれ銃撃戦やら呪文詠唱合戦やら空中戦で∞の軌道を描く双輪懸を繰り広げたりするエロゲのことである。 2007年初夏――。 むさぼるようにエロゲをプレイしてい…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第六話〜50マイルズオーヴァー・2007春〜」

2007年春―― あえて選んでいたのか、それとも名作良作と呼ばれる作品を優先的に選んでいるうちにそうなっていたのか、気がついたら僕は泣きゲーにカテゴライズされる作品ばかりをたて続けてにプレイしていた。 (前も書きましたけど、エロゲ黄金期を追体…

コラム、エロゲ「上から出すか、下から出すか、それだけの問題」

「泣くのって、射精するのと同じくらいかそれ以上に気持ちよかったりするんだよね」 といった感じのことを、僕ってばずいぶん前に云ったことがありまして。 もう、何年前だろ? たぶん二、三年じゃきかないと思います。もっともっと前ですね。僕のエロゲ熱が…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第五話〜泣きゲ、泣きゲ、雨、泣きゲ・2007春〜」

エロゲをプレイして得た経験則をひとつ。「泣ける」と評判の作品は早いうちにプレイしろ! というのも、数をこなしていくにつれて、どうしても感性のみずみずしさが失われていきがちなうえ、良くも悪くも角度をつけて作品に触れるようになったり、比較対象が…

雑記、その他「描写についてふと思ったこと」

つぶやきですまそうと思ったけど、思いのほか長くなったのでこっちに書きます。 小説における情景描写って、つまるところ作者が普段どういうところに目を向けているのかだと思うんですよ。 いかにも小説っぽくするためにそれっぽい描写を意図的に挟むことも…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第四話〜エロゲ熱、加速〜」

ヤフオクでエロゲを購入するというスタイルは非常に効率が悪かった。 欲しい作品が必ず出品されているとは限らないし、基本的に個人売買だから送料や手数料がやや割高だったりもする。 当時、ネット閲覧の手段が携帯電話しかなかった僕が、何か他に効率の良…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第三話〜2006師走 眩しかった日のこと、エロゲに引き込まれた日のこと〜」

静かなはじまりだった――。 プロローグで物語のバックグラウンド的なエピソードが語られたあと、銀色という作品の本編は静かに幕を開けた。 語り手は少女だった。 容易に逃げられぬようにと足の腱を切られ、ただぼんやりと自らの命を明日へ繋ぐためだけに、遊…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第二話〜そして歯車は回り出す〜」

CPU Celeron 366MHz メモリ 64MB HDD 8・1GB OSはWindows98 これが、2006年当時に僕が持っていた東芝製ノートPCのスペックである。 使っていたではなく持っていたと表記したのは、言葉通りほとんどあるだけの置物と化してい…

短編、創作「その音は、何処へ」

所属しているmixiコミュの関係で、BLを書いてみました。 臭作ならぬ習作です。『その音は、何処へ』 包み込むような薄明るいオレンジ色の照明が、そのときの僕をひどく感傷的な気分にさせていた――。 「相坂ユーキ、独身最後の夜に……乾杯」 バーカウンターに…

連載コラム、雑記、思い出話「ぼくと、エロゲ 第1話〜2006・それは雛見沢からはじまった〜」

記憶というやつは、洗濯したあとの靴下みたいなものかもしれない。と、ある日ふと思った。 洗って、乾かして、きちんとタンスにしまったはずなのに、いざ履く段階になったら、片っぽだけどっかいってしまったのが、一足か二足はあったりなんかして。 あるい…

創作論、コラム、読書「これはどげな感じの作品ですか? +なつき・フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。というラノベを読んだ話」

無意識だったり意識してだったりは人によって違うでしょうが、物語に触れるにあたって何かしらの心構えを用意しとくことってよくあると思うんですよ。 たとえば、日曜夕方のちびまる子ちゃんと日曜夜の大河ドラマでは観るにあたって焦点を合わせる部分が違う…

コラム「名文? 美文? いいじゃないですか、良い言葉がそこにある。それだけで」

いきなりなんですけど、やっぱり名台詞ってのは、印象に残りやすいんですよね。 ちょいとネットで検索をかけてやれば、色々なジャンルの名台詞を特集したサイトが簡単に引っかかりますし。 次いで印象に残りやすいのが、名シーンですか。 名台詞と名シーンが…

コラム、創作論「キャラクターの話」

たとえば、面接か何かで、 「あなたはどういう人間ですか?」 といった趣旨の問いをなげかけられたとします。 大体の場合は、「明るい性格です」だとか「生真面目な性格だと思います」だとか答えるのが普通でしょう。 「明るいけどお喋りなところがある」と…

雑記、コラム「義理の妹って」

義理の家族といわれて、ぼくらみたいなのがパッとイメージするのは、義理の妹、次点で義理の姉あたりがポピュラーなんじゃないでしょうか。 いきなりなんの話かと思うかもしれませんが、実は今ぼくが書いている作品のキーになるのが、主人公の義理の妹だった…

雑記、コラム、創作、近況「理想と親近感の狭間で」

超遅いですけど、みなさんあけましておめでとうございます。 今年も相変わらずですがよろしくおねがいしますだニャ。 というわけで、新年一発目の記事でござるよ。 先週末ですか、ちょうどテレビで放映してたコクリコ坂からってジブリ映画を観たんです。 ネ…