そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

コラム「ウィトゲンシュタインすげぇ」

先日触れた「素晴らしき日々」という作品を語る上で無視できないのが、20世紀最大の哲学者と呼ばれたウィトゲンシュタインという男と彼の著作論理哲学論考」だ
正直、俺の様な凡人には論考は良く理解出来なかったが、彼自身の壮絶な生き様には感じ入る物があった
彼の人生を知れば知るほど「幸福に生きよ」という言葉の深さと重さが伝わってくる
今回するのは、そんな凄まじい人生を歩んだ男の話
彼は、兄弟三人を自殺で亡くしている
身内が一人自殺してもキツいが彼の場合は三人だ
ついでに言うと、彼が尊敬した人達も自殺や悲惨な最期を遂げた人が多い
そんなだから、彼自身も常に生きる事に惑い、自殺願望を抱えていた
そして彼は戦場へ…
自殺願望を抱えた人間が戦場(第一次大戦)へ行くというシチュだけでも色々と凄まじいが、彼の場合よりによって志願兵である
軍隊に入ったものの、ぼっちだった彼は再び自殺願望に取り憑かれるが、実戦への参加が彼の運命を変える
生と死が紙一重の戦場
それは死を真に身近に感じる場所
「私はもっと生きたいとこんなにも思う」
死ぬ事ばかり考えていた彼は戦場で生を渇望する
それは、初めて知る生命の充実
人生の最期まで自殺願望と戦い続けた彼が、最終的に事を起こさなかったのは、この時の経験あってこそでは無いかと俺は考える
そんなこんなでバリバリ戦争した彼は、一兵卒から叩き上げで少尉にまで出世するが、結局負け戦で捕虜になってしまう
戦後、釈放された彼は、砲弾飛び交う生と死の狭間や捕虜生活の間に考えたあれこれを纏め、主著「論理哲学論考」を書き上げる
そして書き終えた時点で哲学の問題は全て解決されたと考えた彼は、小学校の教師になるのであった
すいません、字数足りないので端折ります
その後、小学校教師になるも親や同僚達と軋轢を生み挫折
そして修道僧になって世捨て人として生きようと考えたり、庭師をやったり、建築をやったりした後、色々あって哲学復帰
でも、あまり多いとは言えない信奉者達とも結局うち解けあえなかった
それと、親の遺した莫大な遺産もあったのだが、全て寄付してガチで無一文
こんな、とても大変な人生を歩んどきながら最期の言葉が
「素晴らしい人生だったと伝えてくれ」
なのだから恐れいる
幸福の尺度は、人それぞれだろうが、最期にこう言えた彼は間違いなく人生における勝ち組だったのだと思う
ちなみに生涯独身であった