そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「最果てのイマ」

彼らはいつも七人だった―――
幼い頃、とある施設で育った主人公「貴宮忍」には、友達と呼べるものはいなかった。そんな忍が、姉の「千鳥」と共に施設を出て最初にしたことは、友達を作ること。近所に住むボーイッシュな少女「紅緒あずさ」。同じ飼育委員となった、寡黙であり辛辣でもある「本堂沙也加」。地域でも有名な一族に属している兄妹「塚本斎」と「葉子」
似た者同士といった感じで惹かれ合った「樋口章二」。そして、偶然の出会いから近付いた「伊月笛子」。 彼らと忍、合わせて7人。
共に友人に恵まれなかった面々が、知り合い、仲間となり、早数年。 物語は、黄昏に彩られた静かな街で幕を開けた。7人の間で繰り広げられる理解と共感、反発と衝突。そして、思春期の淡い恋愛感情。永遠に続く友情。そんなまどろみのような幸せの中に、ずっといられる―――はずだった。
―――『敵』がその姿を現すまでは。
7人の輪を掻き乱す『敵』。忍は、それを許さない。仲間を傷つけるものを許さない。心を傷つけるモノを許したくない。それに気付いたとき、忍たちを取り巻く世界が変わる。そこにあるべき新たな世界……聖域……に辿り着く。これは、そんな。心を描く物語。心の果てにあるものを描く、物語――
というわけで 最果てのイマ です
シナリオ良し、テキスト良し、雰囲気良し、だが受け手を選ぶにも程があるこの作品
俺はこの作品大好きですが、だからこそ万人向けでは無いと確信を持って言えます
恐ろしいほどの構成力と論理展開
考察系やSF好きな人には堪らないはず
構成が本当に本当に独特でして、ここから得られるものを理解できるかできないかで評価が大きく変わると言えるでしょう
構成もさることながら、哲学性の高さもさすがは田中ロミオ氏と言ったところでして、人の心というものをしっかりと書いています
OPムービー、主題歌、ED曲も作品に合った素晴らしい出来でしたね
あと、この作品の主人公も好きな主人公の一人です
普段は柔らかい優しい雰囲気を纏いながらも、いざという時には女の顔面を躊躇わずに蹴りつけに行く非情さのギャップが強烈でした
傷だらけになりながらも仲間の為に奔走する姿が印象的でしたね