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そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲコラム「クールで粋なオトコ」

あるエロゲの好きなワンシーンの話を一つ。
命に関わる局面でヒロインに裏切られた主人公
一度は、ヒロインを突き放すが、彼女にも事情がある事を知った彼は、もう一度信じようと決意する
「きっと自分は、また裏切る
信用してはいけない」
と言うヒロインに対し
「好きな人を信じるのに理由はいらない」
と想いの全てを告げる彼
そこからの帰りの車中での主人公と相棒のやりとりが俺の好きなワンシーン
相棒は言う
「貴方は、騙されている
同情を誘うのは、女の常套手段だ」と
それに対する主人公の返答がこうだ
「…全身全霊の気持ちが通じない世の中なら、居なくなった方がマシだろ」
何という潔さ
この台詞に俺は痺れた
ただ闇雲にヒロインを信じているだけなのであれば、このような物言いをする必要は無い
全く疑う事なく信じているのなら
「俺は彼女を信じている」
と言えば、それで十分だ
だが、この台詞からは、高確率で裏切られるであろう事を理解しつつも
自分は既にやるべき事は全てやり、伝えるべき想いは全て伝えた
それでもなお裏切られるのなら、別にこの世に未練なんかない
という、主人公の潔よくもあり、どこか破滅的でもある考えが見てとれる
彼が貫くのは、ヒロインへの想いだけではない
きっとこれは、自らの生き方を賭しているのだ
それにしても、このワンシーンの流れは異常なまでに渋い
前述した主人公の破滅的ともとれる台詞に相棒は言葉を返せない
無言の車内
そうしている内に雨が降り出す
「雨は苦手です」
呟く相棒
「…俺もさ」
と静かに返す主人公
そして、ヒロインが雨に濡れてなければいいなと祈る主人公
画面暗転
次のシーンへ
というのが一連の流れ
何というか、とってもハードボイルド
あまりにキザすぎて思わずニヤニヤしながらプレイしていたのを覚えているw
最近は、何となくこの手の厨二描写は少ない気がする
動のかっこよさではなく静のかっこよさ
俗に言うクールでニヒルなハードボイルドってやつだ
(ルパンやらコブラやらビバップが良い例)
精神が永遠の少年な俺は、こういう画に描いたようなオトナな雰囲気に凄い憧れてしまうw
ちなみに、件の主人公は結局ヒロインに裏切られる
だが、それは自らの生き方を貫いた結果
何を悔やむ事があろうか
そして彼はヒロインに一言こう告げる
「スパスィーバ(ロシア語でありがとうの意)」
と、全く何とも粋な男だ