そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「スカーレット」

どこにでもいる学生だった主人公の明人
なんとなく過ぎる毎日に、何かを変えたいと
学校を中退し目的もなく旅行に出る
そして、沖縄を旅行中に偶然知り合った、謎の多い少女しずか
その出会いをキッカケに今まで憧れに過ぎなかった非日常の世界へと
明人は足を踏み入れていく
『日常の中にある非日常、その境界線を越えた時――』
というわけで、ねこねこソフトが以前一度休止した時に最後の作品として送り出してきたのが本作 スカーレット です
本作のテーマは”日常と非日常”
恐らく一度は誰でも憧れるであろう”日常からかけ離れた非日常の世界”この作品は、そこへと踏み込んだ主人公 明人と、そんな明人が憧れる非日常な世界を日常としている、もう一人の主人公 九郎の物語
これも好きな作品ですねぇ
明人と九郎のあまりにも対称的な2人
交わるはずが無かった2人の”世界”が様々な偶然を経て交わり、そしてそれぞれが答えに行き着くまでを凄く上手に描いてます
非日常なんてのはどこにもないようで、どこにでもある
例えどんな立場の人間にとってでも自分が居る場所から遠くかけ離れた場所は非日常以外の何者でもない
本作は諜報員の物語ですが、決して胸を熱くさせるような起伏に富むタイプのハードボイルドではありません
重い雰囲気というよりは堅い雰囲気の作品と言った感じで、少々突飛な設定ではありますが真剣に生きる人々の世界での物語
良い所がある作品ってのは沢山ありますが、その中でこの作品は「終わり方が非常に良い作品」と言えます
本当に終わり方が秀逸でして
間違いなく正しいんだけど、なのにどこか寂しいエンディングに
プレイし終えた時には
「あぁ、一つの物語が今終わったんだな…」
という感じに余韻が残る非常に心地よい脱力感を味わえました
後、本作は章仕立てなんですが
その中でも三章の出来は特に素晴らしい
泣けます
俺は泣きました
親子愛系の泣きが好きな人には堪らないでしょう
「ごめんねじゃないよ…ありがとうだよ」
には本当にやられました
音楽関係も流石はねこねこソフトといった感じで非常に高クオリティ
I've
Little Wing
Blasterhead
Elements Garden
Barbarian on the groove
といった実力派所をチョイスしてます
それと本作はボイス追加パッチ必須です
無力配布パッチにしてはなかなか豪華な声優陣ですのでプレイする人は是非