そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

コラム「積み重なっていくもの」

先日、俺は26歳の誕生日を迎えたわけで、これでまたひとつ歳を重ねてしまった 人間五十年という言葉に倣うならば半分を過ぎたことになる おそらく、大体この辺りから歳を重ねることを疎ましく思う人が増え始めるのではないだろうか かくいう俺自身も「年齢な…

コラム「肯定するといふこと」

先日、3月のライオンという漫画を紹介したが この作品の主人公・桐山零は、生い立ちが不幸である事と学校生活でぼっちというハンデこそあるものの才能には恵まれ、外に目を向ければ人間関係も良好であり、現状を客観的に見ると、それなりに恵まれた環境にい…

雑記「エロゲーマーの俺が読む漫画 急」

気まぐれに始めたマンガ紹介も今回が最後となります トリを飾るのはこの作品 ・エロ魂!私説エロマンガ・エロ劇画激闘史/ダーティ松本 日陰の存在としてはエロゲよりも長い歴史を誇るエロ漫画の世界を描いた作品です 作者のダーティ松本氏は、その世界で古く…

雑記「エロゲーマーの俺が読む漫画 破」

さて、今回もエロゲーマーの俺が漫画を語らせて頂きます 第二回目の今回ご紹介するのはコチラ ・愛人-AI・REN-/田中ユタカ 知る人ぞ知る隠れた名作です 作者の田中ユタカさんはストレートに言ってしまうとエロ漫画家さんですね 成人向け作品を多く手掛けてき…

雑記「エロゲーマーの俺が読む漫画 序」

たまには漫画の話でも というわけでエロゲーマーの俺が独自のセンスで選んだ漫画を幾つか紹介したいと思います 第一回目の今回はこの作品 ・3月のライオン/羽海野チカ 平たく言うと将棋漫画ですね 現在もヤングアニマルにて連載中です ちなみにこの作品を知…

雑記、レビュー「最近読んだ本のレビュー」

最近読んだ本のレビューを少々 ・僕はイーグル/夏見正隆 二巻まで読了。イーグルドライバー、つまりは自衛隊所属のF15パイロット達を描いた航空アクション群像劇 主人公の一人であり、パイロットになる事だけを夢見て生きてきた風谷が昔の彼女の結婚式を見送…

コラム「殺し愛」

「さあ、愛しあおうじゃないか」 これは先日レビューを書いた竜†恋を最も象徴する台詞だ この台詞は愛の囁きであると同時に殺し合いの始まりを意味する言葉でもある 竜†恋という作品において、愛しあう事と殺し合う事は同義だ 言葉に表すなら「殺し愛」とで…

エロゲレビュー「竜†恋[Dra+KoI]」

むかし むかし まだこの世が自らの尾を噛む竜のように完全だった頃 何もかもが満ち足りてた頃 誰もかれもがひとりぼっちで完成していた頃 とあるひとりの竜が恋に狂った 竜の瞳に写ったちいさなちいさな 取るに足らない 塵にも等しい ちっぽけな命 そんなち…

コラム「ウロブチさんを語ってみた」

エロゲ業界を代表するシナリオライターの一人である虚淵玄氏が脚本を手がけたアニメ「血だまりスケッチ」もとい『魔法少女まどか☆マギカ』が今期から始まった 硬派な作風で知られる虚淵氏がよりによって蒼樹うめ女史と組んで魔法少女モノを手がけるという事…

コラム「あなたはどっち?」

俺の愛読書の一つに車を題材にした湾岸ミッドナイトという漫画があるのだが その作中に血液の代わりにオイルが体に流れてる人とガソリンが体に流れてる人という車好きを指した例え話が登場する これはどういう事かと言うと オイルが体に流れてる人=車という…

雑記「2010年を振り返って」

今更ですが、2010年のおさらいです 去年クリアしたエロゲは大体20弱 残存積みゲー数は、およそ40 決して順調な消化ペースとは言えませんでした まあ、これには大作を多くプレイしたのと、以前よりも積極的に本を読むようになったという事情もあります 読書を…

コラム「10年代の始まりとlookback2000」

意識している人は少ないかもしれないが、今年2010年は、2010年代始まりの年であった こういう節目の年にはオタク業界にとって何か大きなうねりが起こるのではないかと勘ぐってしまうのは、些か想像力過多だろうか 例えば、ちょうど10年前 00年代の始まりを告…

エロゲレビュー「それは舞い散る桜のように」

それは桜舞う季節に始まる物語 主人公・桜井舞人は進学にあたって、ひとり北国の親元を離れ、遠く桜坂市へ越してきた 桜坂は彼にとって、少年期までの多感な時期を過ごした思い出深い故郷 学園での楽しくも平凡な一年が過ぎ、新年度を迎える前日 春休み最後…

雑記「嘘だと言ってよ、めてお!」

あ…ありのまま、今知った事を話すぜ! 『俺はガールズワークは、まだ発売の目処も立っておらず、具体的なストーリーも何一つ発表されてない作品だと思っていたら、いつのまにかアニメ化が決定していた』 な…何を言ってるのか わからねーと思うが俺も何がどうなっ…

コラム「シナリオライター虎の穴」

前回レビューを書いたCrescendoのシナリオライター 水無神知宏氏について調べていた所、中々面白い事が分かったので、その話をしよう 皆さんは「プレイバイメール」なるものをご存じだろうか これは、TRPGの遊び方の一つで、与えられた設定と大筋のストーリ…

エロゲレビュー「Crescendo〜永遠だと思っていたあの頃〜」

振り返る3年間の数々の思い出 卒業という節目に近づくにつれ激しく募る想い あの時の僕等は純粋だけど臆病で他人を傷つけることを畏れていた その優しさが逆に他人を傷つけていることも知らずに―― ただただ、この時が悠久の時であれば良いとそうあって欲しい…

非エロゲレビュー「カオスヘッド」

「三次元に興味はないよ」と言い切り、基地と呼んでいるコンテナハウスで大量の美少女フィギュアに囲まれながら生活する、引きこもり一歩手前の主人公・西條拓巳 彼が住む渋谷では、『ニュージェネレーションの狂気』と呼ばれる連続猟奇殺人事件が発生し、ネ…

雑記「11月を振り返って&本のレビュー」

ゆっくりと12月の明かりが灯り始めた今日この頃 ここで先月のおさらいと本の簡単なレビューを少々 エロゲクリアは殻の少女一本 ミステリーとしては悪くなかったです 後、デモムービーが秀逸なのに作中で使われて無いのが意外でしたね ちょうど先日、魍魎の匣…

コラム「あるエロゲヲタのぼやき」

これは、極めて個人的なイマイチ的を得ないボヤキである それと、あくまで作品全体に対する批判ではなく、一部分に対するいちゃもんだと思って頂きたい 最近、物語に登場するオタクキャラに、エロゲが「大好き」だとかエロゲ「ヲタ」だという設定が付属して…

コラム「秋空に舞う俺の妄想」

秋深まり冬近づく今日この頃 紅く木々を彩っていた葉っぱたちもすっかり散ってしまい、かく言う俺は、会社の敷地の側溝に溜まった落葉をかき集める作業に追われていた 集めても集めても側溝に散り積もる落葉たち そんな終わりなき作業に黙々と取り組んでいる…

エロゲレビュー「シンシア〜Sincerely to You〜」

「領空侵犯機を撃墜せよ」 空軍の戦闘機パイロットである主人公・坂月 純夜に下された命令 それ自体は軍人である彼にとってはありふれたもの ただ一つ、撃墜すべきその対象が民間の旅客機であると言うことを除いて… 抗議も虚しく、撤回されない命令に従うま…

コラム「世界観と雰囲気のハナシ」

「世界観がイイ」 俺が先日、赫炎のインガノックのレビューを書いた際に用いた言葉だ この「世界観の良さ」というのは設定が面白いというよりも、世界観が醸し出す雰囲気が素晴らしいという意味を指している、エロゲに限らずこれがシナリオ以上に作品の魅力…

エロゲレビュー「赫炎のインガノック」

異形都市インガノック 積層型巨大構造体から成る完全環境都市であったそこは、10年前に発生した《復活》ですべてが歪んでしまった 人も、木々も、機関の排煙による灰色に満ちた大空さえも。ひとつだけであったはずの太陽は、ふたつになって―― た無限の霧は…

雑記「10月を振り返って」

今更ですが10月のおさらいを少々 それにしても由々しき事態です エロゲにハマって3年と10ヶ月…時間があればエロゲをプレイしていた俺が、初めて月のクリア本数0という事態に陥ってしまいました 別にエロゲに飽きたとかではないんですよ ただ、単価の安さと…

コラム「チェンジ」

俺が先日から散々共感を覚えたと語っている わんことくらそう その中でも特に感じ入ってしまった台詞がある 「人も犬も強くなったり、上手に出来るようにはなっても本質から変わることはきっとできません 本当は、中身が変わった訳じゃなくて上手に生きる手…

コラム「これは絶望ですか?」

大災害後の世界を描いた瀬戸口廉也氏の傑作SWAN SONGの一場面 既存の社会が崩壊しても尚、争いを続ける人々を見てヒロインの柚香は呟く 「どうせ死んじゃうのなら 楽しい事ばっかり考えて過ごせばいいと思いませんか? 争ったり傷つけあったり、そういうのは…

エロゲレビュー「わんことくらそう」

高い知能と人によく似た姿を持つ「犬」や「猫」の一部の種類が人と共に暮らす世界 主人公・遊佐祐一がある雨の日に見つけたのは、雨に打たれて動こうともしない、まだ幼さの残る野良犬 首輪もつけておらず衰弱しきって、今にもその小さな命を失おうとしてい…

コラム「ウィトゲンシュタインすげぇ」

先日触れた「素晴らしき日々」という作品を語る上で無視できないのが、20世紀最大の哲学者と呼ばれたウィトゲンシュタインという男と彼の著作「論理哲学論考」だ 正直、俺の様な凡人には論考は良く理解出来なかったが、彼自身の壮絶な生き様には感じ入る物が…

コラム「クリエイターの意地」

今年評価の高かった「素晴らしき日々」という作品がある これを先月クリアしたのだが、明確なテーマを持った実に考えさせられる素晴らしい作品であった だが、お世辞にも取っ付き易いとは言えないニッチな内容だったのも事実である 本作のライターである す…

コラム「兄と呼んでくれ」

先日の妄言絡みの話ではあるが、赤の他人であるヒロインに「お兄さん」や「お兄ちゃん」と呼ばれ慕われるシチュエーションは、本当に堪らないものがある 義妹だろうと実妹だろうと妹から「兄」と呼ばれるのは、基本的には当たり前の事だ だが、赤の他人から…